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小説 「憑神」 [小説]

憑神 (新潮文庫)

憑神 (新潮文庫)

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 文庫
小説 「つきがみ」
浅田次郎 新潮文庫(¥540 税込)
オススメ度 ★★★☆☆ (武士道是全て!と思う人には★★★★☆)

通常だとオススメ度は星3つ。オススメ度が低いのではないか、と思う人も多いのではないだろうか。
あの浅田次郎の作品だし、妻夫木聡主演で映画にもなっているし。

時代は幕末。そろそろ開国?というあたり。
しかし主人公はいまだに「旧き良き時代」の武士道を(ひとりで)歩んでいて、疑念も持っていない。
だから、現代人から見ると「理不尽そのもの」の状況を受け入れることもできるのだろう。

たとえば、家督を継いでいる長兄は、「この仕事(将軍の影武者用の衣装をケアする係。最近めっきり戦がないので、影武者も無用なため、とても暇。)って、あんまり意味ないんじゃないかなー、お金だって無いし、この際もう武士なんかやめちゃっても良いかなー。」なんて思っているが、それが態度の端々にあらわれるので、次男である主人公は、それを苦々しく思っている。
もし継いだのが自分だったら、きちんと勤めるのに!と思っている。

武士として何とか出世したい、と思っているので、「武士たるもの情けないかも…」と知りつつ、ついつい神頼みをしてしまう、のだが、祈った相手が悪かった。
貧乏神、疫病神、死神のコンボ開始。今さら解約できません!という感じ。

私が星を一つ減らした理由は、この、主人公の、なんていうのかなあ、美学というか、「武士の一分」のおかげで、結局周りの者が迷惑することになるから。
それと、最後のほう、開国のために力を貸してくれ、と勝海舟から声がかかるんだけど、断っちゃうんだよね、そして自分の「武士道」を貫くわけですよ。
これ、状況によっては美談なんだけど。

大義のためなら何をしても良いのだろうか?
私は、「○○のためなら何をしても良い」という考え方が嫌いだ。だから星をマイナスしたわけです。


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