漫画 「テガミバチ」 現在3巻 [漫画]
漫画 「テガミバチ」
浅田弘幸 集英社 ジャンプ・コミックス(¥419 税別)
オススメ度 ★★★★☆
浅田弘幸といえば、「I’ll」のほうが有名なのでしょうか?私は未読なのですが。スミマセン。
以前、「この人の絵キレイ。ちょっと上條淳士に似てる。話はどんな感じ?」と思い、「蓮華」というコミックスを買いました。なかなか面白いと思ったのですが、「蓮華」は1巻が1994年に出たっきり、続きが全く出ない様子。(今となってはどんな話だったかすっかり忘れた)
それから気にはなっていました。でも、I’llは買う気がしなかったけど。どういう訳か。
店頭で「テガミバチ」の1巻を見たとき、絵の美しさに惹かれ、あらあの人だ、と思って購入。
2巻ちゃんと出るかな?というかすかな不安とともに。
出て良かったネ!(自分に。)この先も出て欲しい。
1巻は、とりあえず世界観の紹介と「出会い」がテーマかな。
物語の舞台は、首都にだけ人工の太陽があり、そこから離れるほど暗くなる、という世界。首都を中心としてほぼ同心円状になっている国土、てのも超人工的です。ちょっと、「十二国記」を連想しますね。
人工太陽がある割には前近代的で、人々は徒歩や馬車で移動しています。(何か裏がありそうだよネ。)
「テガミバチ」というのは、郵便配達員のことです。主に徒歩で手紙を届けるのですが、町と町の間には、人の心を感知して襲ってくる、「鎧虫(がいちゅう)」という異形の生物がいるため、戦闘になることがあります。そのため、たいていの配達員は対鎧虫用の武器を携帯しており、戦闘用の相棒を連れて歩いています。
辺境の村で、母親が首都にさらわれた(でもどうにも出来ない)主人公の少年ラグが、配達員のゴーシュと出会い、自分も配達員になって首都に行こう、と心を決めます。この世界では、そのような理由でもない限り、辺境の者が首都に行くことは出来ないようです。ちなみに、母親がさらわれた理由はまだ不明。
数年後(ここであっさり5年経過したことに驚愕。)、配達員の試験を受けるための旅の途中で、ラグは、やがて自分の相棒となる少女と出会います。ニッチと名づけたこの少女、実は、特殊な力を持つ、少数民族の子供です。
2巻の主たる内容は、ラグが郵便配達員になるための試験。ニッチの野生児的行動に、よりいっそう磨きがかかって、可愛い&面白い!ニッチめちゃめちゃ強いし。
それから、1巻でも少し描いてありましたが、ラグの力について、さらに明らかに。鎧虫と戦うには、心の力を特殊な琥珀にチャージして撃ちだす武器を使うのですが、その「効き方」はさまざまで、ラグの力は、他の配達員とは一味違うみたいです。
そして3巻。ラグはついに配達員になります。あこがれのゴーシュに会いたいラグですが、ゴーシュが行方不明で、実は既に解雇されてしまっていることを知ります。とっくにエリートになっていると思っていたのに…。一体なぜ?何があったのか?
ゴーシュの妹と出会い、ゴーシュは妹のためにエリート配達員になろうとしていたけれど、妹自身は、出世よりも兄がそばにいてくれることを望んでいた、という事実を知るのですが。(…って、ゴーシュは企業戦士ですか。)
ストーリーをざっと書いてしまっていますが、この作品、話の筋を知っていても大丈夫だと思うので。多分ドンデン返しはこれから先でしょう。
何よりも、世界観が魅力的。時々挿入されるギャグも魅力。
例えば、ニッチがいかに「相棒」という事にこだわっているかとか、彼女の話す言葉の面白さとか、なかなかパンツをはかない事とか、ニッチのペット?のステーキの、ニッチの慕いようとか(あらニッチのことばかりだわ)。
泣き虫のラグがどんなことに「きちゃう」のか、とか、色々と細かい見所があって、それがまたいちいち美麗な絵柄で描かれていて、飽きさせません。まあまだ3巻だから、かも知れないけれど…。
3巻で番外編的に描かれている話には、思わず涙。かわいい。かわいそう…。子供と動物には弱いのよ。卑怯だわっ。
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