SSブログ

映画 「12人の優しい日本人」 [映画]

12人の優しい日本人

12人の優しい日本人

  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
  • 発売日: 2000/10/25
  • メディア: DVD

映画 「12人の優しい日本人」
出演:塩見三省、豊川悦司ほか 監督:中原俊 パイオニアLDC(¥?)
オススメ度 ★★★☆☆

もし日本の裁判が「陪審員制度」だったら、どんな風になるか?というか、「どんな風にモメるか?」という映画。コメディです。
殺人事件なのか、事故なのか、ということについて、陪審員が話し合うのですが、んー、これ、陪審員が出す結論は別にどうでも良いんでしょう。(理由は最後に書きます)モメ方、の方がキモだと思います。

また、陪審員の顔ぶれも、面白い。
外見はもちろんさまざまだし、独善的な人もいる、私情を交えずにはいられない人もいる。早く帰りたいから多いほうに賛成する、という人もいる。いろいろ。

ある方向に話が進んでいくと、誰かが「ちょっと待って」と言う。じゃあ、というので、その方向に話が進むと、今度はまた別の誰かが「ちょっとちょっと、待って」と言う。その繰り返し。あげくに、「どうせ聞いてもらえないんでしょ?」とか、「もう参加しない!」とか、大人気なくスネる人まで出てくる。
観ているこちらとしては、誰かが「あのー」とか言うたびに、「おいおい…」と、ややウンザリした気持ちにもなってきます。(どっかの会議かー!みたいな)
もちろんこれは計算されているのでしょう。この、「イライラッ」とした感じ、笑うしかない感じを味わう映画なのでしょう。

彼らには、「話がまとまらなかったら、まとめなくても良い」という選択肢もあります。(別の人たちが決めることになる。)でも、自分たちに任されているいる責を果たしたい、という気持ちもある。
弁の立つ者の言うことを、そのまま受け入れてしまえば、さっさと帰ることができます。でも、言葉でうまく表現できないけれど、何かが違う、そのことを言わないままで良いのだろうか?という気持ちもある。

私たちも、日常の中で、「なんか違う。でもうまく言えない。まあいいか、皆がいいって言うなら。…そんなひどい事にはならないよね?」という局面があって、この映画は、そういう事あるよね、ということと、そういう事ばかりで良いの?ということが描いてあるように感じました。

この映画は、三谷幸喜作の舞台がもとになっていますが、さらにその元ネタは、ヘンリー・フォンダ主演の「12人の怒れる男」で、陪審員たちが1室で話し合う、つまり「密室劇」が展開される、という設定が、そのまま踏襲されています。(中身は全然違うけど)

十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/24
  • メディア: DVD
↑これはまた違う意味でオススメです。

さて。
冒頭に私が、陪審員がどんな結論を出すのか、は、別にどうでも良いのだろう、と書いた理由は、最後のシーンにあります。
一応の結論が出てから、直後、画面が切り替わりますよね。(初めて、その部屋以外の場所が映る)
結論をまとめて確認したり、紙に書いたり、誰かに報告したりするシーンは無かったですよね。それぞれが挨拶を交わして帰っていくシーンになりますよね。しかも、その結論を出すために重要な役割を果たした主要人物が、「実は私…」なんて言い出したりしますよね。
それで私は、「ああ、別にどっちでも良かったのね」と思ったのでした。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。