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小説 「ナイチンゲールの沈黙」 [小説]


ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

  • 作者: 海堂尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: 文庫

ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

  • 作者: 海堂尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: 文庫

私が購入した文庫は、下巻に誤植がありました。2刷以降を買った方が良いかも知れないです。


小説 「ナイチンゲールの ちんもく」
海堂尊(かいどう たける) 宝島社文庫(各¥500 税込)
オススメ度 ★★★☆☆

(あ、ミルクティーさんとシンクロ。)

「チーム・バチスタの栄光」がテレビドラマになるんですね。設定が元に戻る(主人公が男性)のは大賛成なんだけど、白鳥氏のキャストはどうかなー、やっぱカッコ良すぎるんじゃないのかなー。もっと、こう、ダメダメな感じの人が良いと思うんだけどナー。



前作「チーム・バチスタの栄光」(リンク先はレビュー)の後、おなじみの顔ぶれ。
(といってもチーム全員が出るわけじゃないし、白鳥の登場はずいぶん後です。)

前作では、事故なのか殺人なのか、という点が物語の核になったが、今作では「殺人事件」が起こる。ただし、それは多分に偶発的なものであって、前作のような緊迫感は無い。
作者が描きたかったのは事件そのものではなくて、それを取り巻く状況や、人間模様だったのだろう。

 ※この作品、ミステリじゃないよね。
  「チーム・バチスタ…」のような雰囲気を望む人は、読まないほうが良いかも知れません。

今回の主な舞台は、小児病棟。
少年の手術に同意してもらうため、放任主義の父親(母親はいない)と交渉しようとするのだが、なかなかうまくいかない。「勝手にすれば良いだろう」というわけ。
そして、少年自身も、自暴自棄で手術を受ける気持ちになれずにいる。(親に無断で『手術しないと死に至る可能性がある』と本人に知らせるわけにはいかないようだ。)
小児病棟には、その他にも、心理的なケアが必要な子供たちがいるため、田口が「不定愁訴外来」を拡大して対応することに。嫌々ながら。

一方、特別室に、高名な女性歌手が緊急入院する。
コアなファンが多いらしく、医師の中には彼女のレコードを大切に保管している者もいる。でも田口は全く知らない。面白い。

病院の勢力関係や人間関係が描かれて、「あーあるよねー」なんて余計なストレスを読者(私です)が感じ始めた頃、上記の父親が急死したという知らせが。
しかも、猟奇的な状況で。
最後に会ったのは、息子の手術に同意をもらうために尋ねていった、病院関係者だったのだが。

 ※と書くと、ミステリに見えるだろうけど、でも、そーじゃないんだ。

この作品には、「歌が上手な人」が二人出てくる。
普通に上手なだけではなく、特殊な才能を秘めていて、それが物語の重要な要素になる。
特殊な才能とは、絵を描いて人に見せるのと同じように、歌によって、雰囲気や画像を他人の頭に思い浮かばせることができる、というもの。聞いた人は皆、同じ映像を思い浮かべるんだよね。
脳にそういう刺激を与えることが出来る歌い方だから、という事なんだけど…。

うーん、でも、私には、この設定がどうしても受け入れ難かった。
この設定がキモなんですけど!

「あるかも知れない」とは思うけれど、百発百中、全ての人に、ってのはどうだろうか。
同じ絵や同じ歌でも、違う感想を持つ人がいることを、日常的に知っているから。
やっぱ無理だなあ。
しかも同じ町にその力を持っている人が二人いるなんて。これが「実はこの二人は…!」みたいな伏線であるならば、了解できるのだが。そういうことでもないんでしょう?

今回、お待ちかね(私が)の白鳥は、後半から登場。
でも、「なんであーたが出てくるわけ?」と思った。
確か厚労省から派遣されてるんだよね?でも前作ほど因果関係がはっきりしていない。
それと、どうやら別件(さらに別の作品につながるらしい)をかかえているようで、思わせぶりなセリフが多く、なんだか気がそれてしまって。
口の悪さは相変わらずだし、子供たちと話すシーンが面白くて、そこは大好きだ!

田口は今回、なんだか影が薄いんだよなあ。
白鳥のみならず、色々な人とのキャッチボールがあって、でもどれも「いっそのことキミはもっともっと読者をイラっとさせるべきじゃないのか!」という感じで。

多分私が期待しすぎだったんだろう。

 * * * * * * * * * *

以下、気にしすぎかも知れないんですが。

作者の敬語の使い方が気になります。
はっきり間違いと言って良いのかどうか、学者ではないので断言はできないのですが。

自分の上司に向かって、「お伝えしていただけますか」とは言わないですよね?
「お伝え」する相手は、その上司の(自分ではない別の)部下なのですから、伝言を頼むなら、「お伝えいただけますか」ではないでしょうか。

また、部外者に向かって、「部外者の傍聴はご遠慮したい」も何だか変ですよね?
「ご遠慮する」は謙譲語なので、これでは自分の事を言ってることになってしまいます。ここは、「ご遠慮願いたい」でしょうね。

まあいずれも、
「その登場人物が間違えたんです」
と言えば済む話…     …そうか?そうなのかな?(自分ツッコミ)
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