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小説 「時をかける少女」 [小説]


時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 文庫


小説 「ときを かける しょうじょ」
筒井康隆 角川文庫(¥460 税込)
オススメ度 ★★★★☆
※新装版のカバーイラストは貞本義行さん。
※「時をかける少女」は中篇で、この文庫には他に「悪夢の真相」「果てしなき多元宇宙」の二編が収められています。

「角川文庫夏の100冊」の中から買いました。
かなり昔、読んだんですけど。(文庫ではなく新書版だった記憶があります。)

もともとジュブナイル小説(少年少女向け)なので、文体を変えてあるみたいで、違和感が。
ひらがなが多くて、句読点が多いです。
そのせいか、ものすごく淡々としたムードで話が進みます。

自分の身に起きたことを、友達に相談して、その後、学校の理科の先生に相談に乗ってもらう、なんてのも、なんだかノンビリしてる感じ。
アレだよ、主人公は時間を遡行しちゃうんだよ?
人に知られたらヤバくね?

まあいいか…。

アニメ映画とは全然違うお話です、念のため。
(アニメは、このお話から二十年経過しているようです。主人公のおばさんが吉山和子…この作品の主人公…でしたよね確か。)
あ、それから、角川映画とも微妙に違います。多分、映画は、長くするためにエピソードを加えたのでしょう…って、これ見たことあるのかしら皆さんは?

この作品は、色々な方面に影響を与えていますよね。
とっても有名です。
筒井康隆の名前に「時をかける少女の」と冠すると、ほとんどの人が「ああ知ってる」と言うのではないでしょうか。(ご本人はそれを良しとしていないよーな気もするけど)

アニメを知っていてこの原作を知らない中高生は、是非読んでみてほしいです。
その結果、「アニメのほうが好き」でも別に良いと思う。
夏休みの読書感想文にいかがでしょう?

 *****

「悪夢の真相」
主人公(女子)は、高所恐怖症で、しかも般若のお面がとてもとても怖いのですが、何か理由があるはず、と思いながらも思い出せません。
そこで、一体なぜなのか(怖い理由、理由がわからない理由)を知ろうとするお話です。
もっと陰鬱な話だと思っていたのですが、そうでもなかった。
えーとでもこれSFじゃないよね…?

「果てしなき多元宇宙」
主人公は、突然、今と似ているけれど違う世界に迷い込んで(迷い込まされて?)しまいます。
なぜ?そして、どうなる?
ラストは、筒井康隆ファンなら読みなれたパターンかも。(でも子供にはかなりショックじゃないかなー)
一見、「もっとこうなら良いのに」と夢見る少年少女に対する警鐘、と読み取れますが、私が強く感じたのは、『この作品は、作者が「時をかける少女」で説明しかけていた現象をはっきり理論付けようとした作品なのではないか』ということです。
時をかける少女にタイムパラドックスを持ち込むと複雑になりすぎますよネ。でもこの作品で解決できているのか、ってーと疑問ですけど。

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