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漫画 「彼らの犯罪」 [漫画]

彼らの犯罪

彼らの犯罪

  • 作者: 樹村 みのり
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/03/06
  • メディア: コミック

漫画 「かれらの はんざい」
樹村みのり 朝日新聞出版(¥600 税別)
オススメ度 ☆☆☆☆☆
「オススメではない」という意味ではなく、「気軽にオススメするべき作品ではない」と思う。



この本は、4つの短編(+あとがき漫画1ページ)で構成されている。

「彼らの犯罪」
いわゆる「女子高生コンクリート詰め殺人」の裁判をモチーフにした作品。
ただし、あの事件そのものであるという記載は無い。犯人像についても同様。
主人公は30代(と思われる)女性。裁判の傍聴を通して、事件の全容と「その後の彼ら」について知ることになる。

重い。

「親が・殺す」。
これも裁判の傍聴モノ。主人公は↑とは又違うが、↑と同世代(と思われる)の女性。
この作品にもモデルにしたと思われる事件がある。高校教諭が息子を刺殺した事件だ。
しかし私はこの事件を記憶していなかった。(検索した。)私にとって「子殺し」は珍しくない事件だったのだろうか?

これも重い。

「夢の入り口」
主人公の女性は、突然、友人(女性)の母親から電話を受け、彼女が精神科に入院した事を知らされる。
彼女が自分に会いたがっていると聞かされて見舞いに行くが、すっかり様変わりして口もきけなくなっている友人の様子に驚く。
話も出来ないまま帰宅した数週間後、本人から「ずっと良くなった」という電話を受けて、再び面会に行く。
そして、彼女が「理想郷的な社会を目指す集まり」に参加したときの経験を聞かされる。

これも重かったな…。
何かを信じるのは自由だし、素晴らしい事だと思うが、それを他者に強要したり、信じない事を責めるのは間違っていると思う。

「横からの構図」(短編集)
 第1話 家族―愛と憎しみ
 第2話 「あの子が好き」
 第3話 ミス・コンテスト!家柄コンテスト?
 第4話 あなたの隣人
 第5話 オールド・シングルレディの優雅な日々
 第6話 あなたとわたし
性教育の雑誌に掲載された小品だそう。
イラスト詩のような作品だったり、風刺漫画だったり。

第4話を読んで、昔読んだ「海辺のカイン」(樹村みのり作)をちょっと思い出した。
性別関係なく、「友達でいようね」と口に出して言った相手とはいつの間にか疎遠になるものだ、と思う。

「バック・トゥ・ザ・90’s」(あとがき)
この作品を描いた90年代、色々なことがありましたねー、というカンジ。
以前、「見送りの後で」について書いた時、「最近は商業誌以外に描いていたらしいです。詳しいことはちょっと分かりません」と書きましたが、90年代はこれらの作品が描かれていた、という事なのですね。

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