小説 「自由への逃亡」 [小説]
小説 「じゆうへの とうぼう」
アルベアト・バスケイス・フィゲロウア ハヤカワ文庫(現在入手困難、古品で350円くらいか)
オススメ度 ★★★☆☆
↓短いけど、ネタバレあり。
そんなわけで、覚えているうちに書こうと思う本が数冊。
これもそのうちの1冊。
この作品が絶版というのは残念だなあ。
脱獄した男を追う1匹の犬。ページ数は多くはないが、非常にサスペンスフル。
逃げても逃げても、逃げられない。
「ベルカ、吠えないのか?」と、ちょっと似ている。
別に超能力犬じゃないんだけど、優秀な犬って恐怖だよね。
既に命令を出す人間は死んでいるので、犬には「追って殺せ」という命令しか無いのだ。
途中で人間目線からの都合のいい解釈が出てくる。
「都合がいい」と言うと怒られてしまうかも知れないけれど、追う者と追われる者の間に流れる心情、というのは一種のロマンでしょう。
これはちょっと「逃亡者」を彷彿とする。
でも今回の相手は犬。だから、「そんなにうまくいくかね?」と思う。
心が通じたなんていうのは、人間の勝手な思い込みなんじゃないか?と。
(ちなみに犬側からの視線は一切描かれない。)
もちろん、犬好きの気持ちとしては、「そうであってほしい」と思ったけど。
そうでなければ、最後には悲劇しか待っていないではないか。
ベルカの時と同じ、「もういいんだよ、もういいのよ…」という哀しい気持ちにもなった。
最後にどうなるかは書かないでおこう。
犬っていいよね!すごいよね!!!
コメント 0