小説 「英雄の書」上、下 [小説]
小説 「えいゆうの しょ」上下
宮部みゆき 新潮文庫(上・下各¥704 税込)
オススメ度 ★★★☆☆
↓超ネタバレあります。
主人公は小学生の女の子。
中学生の兄が罪を犯した、と聞かされて驚愕する。
お兄ちゃんは私のヒーローなのに…悪いことなんかする筈ないのに…と。
兄の部屋で、妹は更に驚愕すべき事を教えられる。
教えてくれたのは、一冊の本。
兄は英雄に魅せられてしまったらしい。英雄?なぜ英雄が、兄に罪を犯させるのだろうか?
*****
この小説には、色々な「お話」の要素がいっぱいに詰まっている。
ゲーム、アニメ、漫画、小説、口伝、色々なお話。
どこかで聞いた、どこかで見た、様々なお話。
だから必ずどこかが何かに似ている。…のは当たり前なのだろう、目新しさは無い。
私が感じた「似ているお話」は、
全体的にはスティーヴン・キングの「タリスマン」。
シチュエーションはCLAMPの「魔法騎士レイアース」、「カードキャプターさくら」。
道中は小野不由美の「十二国記」の「図南の翼」や「月の影 影の海」
ある面会シーンはハリスの「羊たちの沈黙」…というよりは、荒木飛呂彦の「黄金の風」か?
そして、ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーなど数多のRPG。
底に流れるのはラヴクラフトの「クトゥルフ」。
登場人物の中に「宝島」あるいは「ロマンシングサ・ガ」を想起させる人物がいるのだが、果たして作者にそのつもりがあったかどうかは不明。
まだまだありそう。
恐らくこうして指摘されることも作者の計画のうちなのだろう。
だってこのお話は、色々なお話のお話なのだから。
内容について詳しくはまた今度。
私も、英雄ってそんな高潔で単純なものじゃないよなあ、と色々なお話の中で感じていたので、共感する点があったので一言言いたいのだが、長くなりそうなので。
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