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小説 「極北ラプソディ」 [小説]

極北ラプソディ (朝日文庫)

極北ラプソディ (朝日文庫)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/10/08
  • メディア: 文庫

小説 「きょくほく ラプソディ」 海堂尊 朝日文庫(¥735 税込)
オススメ度 ★★★☆☆

先日本屋で見かけて、「あ、まだ買ってなかった」と思って買ったのだが、
しまった買ってなかったのは前作の「極北クレイマー」だった。

「クレイマー」の時点でAかBか揺れていた件に、ついに結論が出た後の話が「ラプソディ」だから、当然、ラプソディではしばしば「AでなくBとはね」的な会話がある。
自ら究極のネタバレを招いてしまった。
ちなみに、NHKが「クレイマー」と「ラプソディ」をドラマ化して、3月に2回にわたって放送された事を私は全く知らなかった。

最近「桜宮サーガ」が整理できなくなってきたので、ストーリーを中心に書くことにします。
というわけで、以下、超ネタバレです。未読の人はヒキカエセ。


この作品にも、AIの関係者やジーンワルツの登場人物の名前が出てきたり、おなじみの人たちが登場する。
ただし、白鳥や田口は出て来ない。
(フジテレビの「螺鈿迷宮」は、なぜか白鳥&田口コンビの話になるようですね。どこをどうやってコンビの話にするんだろう?)

*****

北海道の極北市は、所謂「破産」した町。
市民病院は再建の対象となり、医師は、院長の世良(ブラックペアン1988の主人公)と副院長の今中(極北クレイマーの主人公)の二人しかいない。

そのため、救急は一切受け入れず、隣の雪見市の救命救急センターに全て回している。
極北市は、市民病院に夜間救急を求めており(※1)、今中も対応したい気持ちはあるものの、二人体勢では、夜勤など出来るわけがない。
(※1)行政の「現場知らず」への批判は、この作品全体を通してチラチラ。

そんな時、世良は今中に「救急センター」への派遣を命じる。
今中は、副センター長の速水(=ジェネラル・ルージュ)、看護師長の花房(ジェネラル…登場人物)をはじめとして、個性的なスタッフ(※2)と出会い、救急について学ぶ。
(※2)皆がたまり場にしている居酒屋が出てきたり。魅力的な女性が出てきたり…
 なんだか今回、女性がらみの話が生々しくて、私はイラナイと思うんだけど、何なんですかね?
 ラストのランデブーとか、男のロマンですかね?

今中は、ドクターヘリを幾度か経験する。
面白いのは、あれほど「ドクターヘリ導入」を力説していた速水が、これまでに1回しか乗っていないこと!
スキー大会の話が出てきたとき、「何かあるぞ!」と思ったら、あんのじょう。
なるほどここで速水が1回しか乗っていなかった事が生きてくるわけね。

(パイロット、ヘリの管理係など、ドクターヘリがらみの細かい話も出てくる。
 ドクターヘリに乗る医師は、誰でも良いわけじゃないのね。
 何か、このへんの雰囲気、フジテレビの「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」みたいだった。
 パイロットが寺島進に見えてきた。)

病院の破綻は、医療費未払いに拠る部分もある。
極北の市民病院も、大勢の未払い患者を抱えており、再建のためには、そのような患者は全て切らなければならない。医療と慈善が両立しない現実。
未払いを繰り返す患者の診察を断った翌日、その患者が倒れ、隣市の救急センターに運ばれる途中で亡くなったことが判明する。
世良は責められるが、「救急を受け入れない」という方針に従っただけ、と切り捨てる。

(読みながら、ブラックペアンの時の世良と、今の世良との違いに戸惑う。大人になるってこういうこと?
 いや、本当はとてもとても苦しんでいると思うんだ…具体的に文章では表現されていないけど、彼も色々な経験を経ている事が見え隠れするし。)

今中は悩む。
世良は自分に救急センターへ行くことを命じたが、どんな意図があったのか?
自分は、世良を一人にして良かったのだろうか?

終盤、「ドクタージェット」が登場してびっくり。
医療の世界はもうヘリを通り越してジェットなのかな。

極北市民病院と救急センターは、ドクタージェットの試験飛行に参加する。
(そんな事やってる暇あるの?と思うけど、どうやら政治がからむと何でも出来るらしいよ。ってカンジで描かれている。)
ジェット機がベース基地とする「神威島」には、世良の恩師、久世が切り回す診療所があった。
世良の過去がチラッと語られる。
突然、ジェットの操縦士が急病となり、診療所で緊急手術を行う必要が出てくる。

このへんのご都合主義すぎる点はイマイチだよね。
スキー場のあたりもそうだったから、「えーまた?」って思った。

ご都合主義といえば、[以下、ネタバレ中のネタバレです。]
この作品では、世良、花房、速水の関係性が明らかになる…んだけど、多分この関係は、作者が後から取ってつけたものだと思う。
短絡的だから、そう思う。
いくら以前つきあっていたからといっても、再会した世良と花房がなぜ惹かれあうのか、全然分からない。
花房と速水がうまくいっていない?そんな伏線は無かったので、唐突すぎ。
ジェネラルルージュのラストシーンは何だったのか。そんな事でゆらぐ決心だったのか。
二度も心変わりするのなら、それなりの時間やシチュエーションが必要だと思う。
ティーンエイジャーじゃあるまいし、妙齢の女心って、こんなもんじゃないと思うんだよね!
本筋に直接関係ないから、ちょっとしたオマケ要素なのかも知れないけど、それならむしろ無い方が良かった。
このエピソードの描き方により、世良が主役になり、今中は脇役になってしまった。

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