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映画 「1408号室」 [映画]

ネットフリックスで観ました。
原作は未読です。



映画 「1408ごうしつ」
原作:スティーヴン・キング
監督:ミカエル・ハフストローム
出演:ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、メアリー・マコーマック ほか
オススメ度 ★★☆☆☆

恐怖の定義は、人によって違うと思います。
この映画で最大の恐怖として描かれるのは、主人公にとって(だけ)の物なので、私にはあまり怖くなかったかも。
通常のホラーのイメージ、特にキング作品だと思って見ると、正直、肩すかしを食らうと思います。

以下、超ネタバレ。
観てない人はヒキカエセ。



主人公の小説家(キューザック)は、デビュー当時こそ優れた作品を書いていたようですが、今では「怖い場所10選」のような、キワモノを書いてウケを狙っています。
書店でのサイン会は、コアなファンがほんの数人という状態。

彼のスランプは、最愛の娘を病気で亡くした事、その時に何も出来なかった事が原因なのかもしれません。
天国も来世も信じていない彼には、「娘は天国で安らかに暮らしている」なんて考える事も出来ず。
奥さん(マコーミック)とも、別居状態みたいです。

ある日、彼のもとに「1408号室に入るな」というハガキが届きます。
調べてみると、ニューヨーク(娘が亡くなった街。元々住んでいた?)の「ドルフィンホテル」の1408室は、いわくつきだとわかります。
逆に興味を持った彼は、ホテル側の宿泊拒否を受け入れず、支配人(ジャクソン)が止めるのも聞かず、チェックインします。

 まあ、止めてないですよね。「シャイニング」みたい。
 支配人の「1時間もった人はいない」というセリフは、
 逆に言えば「1時間未満で出てきた人ばかり」という事です。
 宿泊拒否し続けているなら、そんな事は起こらないハズ。

 冒頭から、主人公が無神論者である事が丁寧に描かれます。
 この作品を読み解くポイントなのかもしれませんが、
 私には、あまりピンときませんでした。
 むしろ主人公の体型が気になった。なんか…自堕落?
 (でも、そうなると節煙は不可解なんだけど。ガンガン吸うべきでしょ。)

1408号室で、ボイスメモを取りつつ、すぐに彼は怪現象に遭遇します。
(ミニカセットなんだけど、アメリカでは普通なの?)
窓から身を投げた人の幻影を見たり、勝手にラジオのスイッチが入ったり。
ラジオの表示が「60:00」からカウントダウンし始めて、「1時間」の意味がわかります。

当初はまだ、フロント(?)からの電話には「チェックアウトしない」と強気でした。
彼がポッキリ折れたのは、突然閉まった窓に手が挟まれてケガをした時。
いったーい!
でももう、ドアのノブも鍵穴も壊れるばかりで、部屋の外に出られません。
それから後も、亡くなった父親の幻影や壁の亀裂など、次々と怪現象は続きます。

 主人公と、彼の父親に何か(確執?)があったのだろう、という事は、
 冒頭の、彼の昔の作品についてのファンとの会話でうかがい知れるのですが、
 明言されないので、父の幻影との会話シーンに深い意味を感じられず…。
 知らないおじさんかと思った。それがとても残念でした。

 さっき彼が使ったばかりのトイレットペーパーが「三角折り」されて
 いたのは、「こわっ」と思いつつ、「律儀な霊だなあ」と思ったわ。
 あと、窓の外の出っ張りをつたって、隣の部屋まで行こうとするシーンは、
 キングの「キャッツ・アイ」のオマージュと考えるのは考えすぎ?

彼は完全にギブアップしますが、遅かったようです。
部屋に飾られていた海の絵から大量に水が湧き出して、彼は溺れます。
(このへん、恐怖というよりは、驚愕でしょ。)

気がつくと、何年か前、サーフビーチで溺れた時に戻っていました。
病院で奥さんと話し、普通に生活を続けて、ある日、書き上げた原稿を送ろうと
郵便局に持っていくと、そこで見かけた人々は…あのホテルで見かけた人々で…

…で、またあの部屋に戻っている。

亡くなったはずの娘が突然現れ、必死で抱きしめますが、彼の腕の中で、娘は再び亡くなってしまいます。悲しい。
ラジオのカウントダウンもリセットされて、やり直し。
ホテルの部屋には、あちこちに首吊り用の縄が現れます。

部屋に奥さんも呼び寄せられている事を知った彼は、ついに腹をくくります。
壁に火炎瓶を放ち、ずっと吸わなかった煙草に火をつけて、一服。
部屋は焼け落ちて、彼は消防隊員に救助されます。
支配人は「よくやった」と一言。

病院で奥さんと話すシーンがまたあって、「これは、いつの今なのか」とちょっと混乱。
今回は今の今だったようで。
体が回復して、奥さんとも復縁するような様子が描かれます。

最後、彼のボイスメモを聞かされた奥さんは、
「娘に会った」という彼の言葉が事実だった事を知ります。
彼が「ね?」という表情をして、終わり。

 ん、なにこれ?
 今まで火をつけた人はいなかったのでしょうか?
 それとも、彼が相打ち覚悟という点がこれまでと違った?

 最も彼を恐怖させたのは、娘の死だったようですが、
 でも、首吊り縄は、わたし的には興ざめでした。
 「死にたくなったでしょ?」って、乱暴だなぁ。

 節々に「シャイニング」と似た要素を感じましたが、
 奥さんまで巻き込もうとする敵(?)に抵抗する点は違います。
 あの部屋が「お化け部屋」になってしまった理由は不明だし。

 ↑には書きませんでしたが、突然襲い掛かってくる男とか、
 エアダクトで襲ってきたヤツとか、何だったの?
 最後は出てこないし。
 彼が部屋から出たと思ったら、また部屋に戻っていたのは驚きましたが、
 ハイやり直しーって言う電話の声は誰なの?

 そもそも、支配人は何者なのか?
 悔い改めようとしない人を、悪魔に引き合わせて改心させる…?
 神とか霊とかを信じさせる目的だとしたら、部屋が無くなる事は喜べないよね。
 さっぱりわからない。

 原作を読めば何かの意味が見いだせるのかもしれない。
 でもこの映画は、次々と脈絡なく、「どう、怖い?怖いでしょ?」と
 言ってるだけに感じたし、しかもあまり怖くなかったです。
 残念です。

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