漫画 「GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガー・ガール)」 現在11巻 [漫画]
漫画 「ガンスリンガー・ガール」
相田裕(あいだ ゆう) 電撃コミックス(各¥550 税別)
オススメ度 ★★★☆☆
1巻目を買ったのは、単純に「美少女が銃を手にかっこよく戦う話」を読んでみようと思ったから。
ところが、このお話、そういう単純な好奇心を満たすような内容ではなかったんです。
残酷なのです。といっても、暴力(戦闘)シーンが残酷なのではなく、少女たちが、自分ではそうと知らずに侵食されている様子が。
物語の舞台は、テロリストや暗殺者が暗躍する(架空の)イタリア。
治安維持のために極秘に設立された「社会福祉公社」は、10代の少女たちをサイボーグ化して、一種の兵器として使います。(敵を油断させるため?)
この公社は、表むき、障害者福祉を行っているので、肉体的に死の状態に近い少女たちを入手しやすいし、技術的な研究も進められるので、改造しやすい、という事なのでしょう。
入手って…とても失礼なんですけど、そうとしか書けない。
彼女たちは「義体」と呼ばれています。
改造前の状態は『素体』です。まるでお人形です。(素体といえばお人形の「もと」のことですよね、人形好きの方ならわかると思うんですけど。)
初期のサイボーグは、実戦に向かない場合、研究のために利用されることもあって…耐性を試される様子なんかは、もう、もう、まるで人間として扱われていない。
また、少女たちは、改造時に一種の洗脳を受けます。
彼女たちの仕事は、テロリストや暗殺者の排除なので…つまり殺人ですね…、恐怖やためらいを感じないように、感情が制御されます。
また、自分の担当者である職員(一人ひとりに担当者がついています)に対する忠誠心(時には愛情めいた感情)を持たせられます。これが仕事へのパッションになる事もあります。
もちろん過去の記憶は一切失われます。
しかし、微妙にほころびが出てしまうことも…。
フラッシュバック、記憶障害、身体的な故障などなど。
物語は、対テロリストという大きな流れを持ちながら、彼女たちのこういった様子が丹念に描かれるので、もうホントに、美少女のドンパチが見たかった私ゴメンナサイ!って感じ。
でも読まずにはいられない。
もっと見たい気持ちと、早く終わって欲しい気持ち、両方を感じますね。
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