漫画 「東京怪童」 全3巻 [漫画]
漫画 「とうきょう かいどう」
望月ミネタロウ(元:望月峯太郎) 講談社 モーニングKC(1、2巻¥590 3巻¥690 税込)
オススメ度 ★☆☆☆☆
怪作。
舞台は、脳に障害を抱えている(いそうな)子供たちが暮らしている病院。
彼ら、彼女らが感じたり考えたりしていることは、いわゆる「健常」な人とは違う。
例えば、生き物を認識できないでいたり、自分が超人だと思っていたり、数分前のことを覚えていられなかったり。
そして彼ら、彼女らは、そのことが原因で、「健常」な人たちと一緒に暮らしていけない。必ずトラブってしまうからだ。
そういえばそういう脳障害があったなーなんて読み進めていくと、そのうちに「健常」側、つまり彼らを診ている医師や病院の職員たちも、何だかどこか変だナー…と感じるようになる。
「私は、この子供たちは脳障害を抱えていると思って読んでいるけれど、実はこの周りにいる大人たちの方が脳障害だったりして?」
変だとか変じゃないとか、その区別は正しいのか、そして、そういった区別をすることに、一体何の意味があるのか?
ぐるぐるしてくる。
この感覚は、絵柄にも原因がありそうだ。
アメリカンポップアートみたいな…なんつーか、止まってるカンジ?
ほとんど全員が、無表情またはフリーズして(笑顔のままとか。)いて、場面場面がシーンとしている。
まるで絵みたい。
いや絵なんだけどサ、漫画なんだから。
「万祝」でも静止画的な絵柄だったけれど、それは、動いている中の一場面を切り取った「写真みたい」だったと思う。
しかし、この作品では、ずーっと止まっているカンジ。生き生きした場面がほとんど無い。
これが相当な違和感だった。
あ、そうだそうだ、「オー!マイキー」みたいじゃない?
硬直笑顔が何だか怖いの。
ウーン、これはすごい展開になりそうだ。
…と思っていたら、想像よりずっと少ない巻数で終わってしまった。
「突然終わった」という印象。
1巻を読んだ時点では、恐らく10巻くらい続くのだろう、と思うような、濃密、深淵な内容と思われたのに。
どうしたんだ。わざとなのか。「夢オチ」的なアレか。
望月峯太郎は、この作品では「望月ミネタロウ」と名乗っている。
これも一種の「夢オチ」的なアレの伏線なのか?
単なる改名で、これから先もずっとそうなのか。
わからんのぅ。
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