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小説 「千里眼の教室」 [小説]

千里眼の教室 (角川文庫)

千里眼の教室 (角川文庫)

  • 作者: 松岡 圭祐
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫
小説 「せんりがんの きょうしつ」
松岡圭祐 角川文庫(¥552 税別)
オススメ度 ★★☆☆☆

中身について書く前に、表紙について。
この、向かって右の顔、「ミッドタウンタワー」の時の表紙と同じ顔だよね。てーことは、この子が岬美由紀?エーーー。(これ写真なのかなCGなのかな?)

さて、中身について。
美由紀は、脳神経外科の医師が発明(?)した、「空気中の酸素を一時的に欠乏させる爆弾」の爆発を阻止しようと奔走する。
空気中の酸素が欠乏すると、前頭葉の働きがにぶくなり、理性による自制がはずれて、凶暴になるらしい。医師は、学校や職場などで起こっている「いじめ」は、酸素欠乏症が原因だ、と世間に訴えているのだが、認められないため、爆弾を使って実証しようとしているらしい。
爆発阻止のために戦闘機まで拝借(またですよ~)した美由紀だったが、間に合わなかったようで、岐阜県立氏神(うじがみ)工業高等学校の体育館付近で閃光がはしり、直後、生徒会長が「独立国家、氏神高校国の建国」を宣言する…。

そもそもの発端も、経緯も、短絡的だと思った。
「○○のためなら、何をやってもいい」という考え方、前にも書いたけど、私は大嫌い。たとえそれが親子の愛情ゆえであっても。それを許容する主人公もどうかと思う。…んだけど、もともと「正義のためなら」と規則をガンガン破る主人公なのだから、仕方ないのかもね。

読みながら、私は「スケバン刑事(でか)」を思い出していた。
学生たちは独特、独自の社会を形成している。教師も介入できない世界だから、学生を刑事にして捜査させる、というのがスケバン刑事のキホン。その前半部分、「学生たちは独特な社会を持っている」というのが暴走しちゃうお話は、スケバン刑事で何度も目にしたところ。

他にも、
・悪役の短絡的な思考回路(動機が『キモチの問題』なのよね)
・おおげさなまでの仕掛け(その目的のためにそこまでしなくても)
・必然的に起こる偶然(つまりご都合主義という事なんですが、でも、これが無いと面白くない!)
・孤高の主人公…でいながら、実は官憲によるバックアップあり
など、共通しているなーと思う点が多い。文庫なのに2~3か月に1巻発行されるのも、まるで漫画みたいだし。似てますよね。だからどう、って事もないんだけど。

美由紀はスケバン刑事なんかじゃないから、解決の仕方は全く違うけど。学生として介入、は、いくら外見が若く見える美由紀でも無理デシタ。
ただし今回あまり美由紀の活躍を感じなかった。動いているんですよ?でも多分そう感じなかったのは、独立国の描写が面白かったから、かも。

途中、どうすれば試験で良い点数が取れるか、なんていう話も出てきて、「ドラゴン桜ですか?」と思いました。これまた、だからどう、って事もないんだけど。


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