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漫画版 「精霊の守り人」1 [漫画]

精霊の守り人 1巻 (ガンガンコミックス)

精霊の守り人 1巻 (ガンガンコミックス)

  • 作者: 藤原 カムイ
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2007/09/22
  • メディア: コミック
漫画版 「せいれいの もりびと」(まもりびとではなく、もりびとと読む)
原作:上橋菜穂子 漫画:藤原カムイ スクウェア・エニックス ガンガンコミックス(¥390 税別)
オススメ度 ★★★☆☆

原作は既に読み終わって、どう書こう…と思っていたら、漫画版が出た。ので、とりあえずこちらを先に。

アニメではまた違う人がキャラクターを描いているらしいが、どちらも似たような風情。これは、もともとのさし絵の影響なのかも知れない。
そうなんです、これ、もともと児童文学なんですよね。
それが、この漫画の掲載誌にもあらわれているのかも。「ガンガン」って、決して大人向けの雑誌ではないですよね?

1巻では、女用心棒のバルサが、体内に『何か』を宿してしまった少年、チャグムを守るための旅に出て、追っ手との最初の戦闘が終わったあたりまでが描かれている。全体のボリュームからいったら、5分の1か6分の1、というところ。まだまだ序盤だ。
前半で、この物語の舞台が、どことも知れない国(モンゴルっぽいけど、違うみたいだ)であること、伝説や神話が生きている時代だということ、政治に占いのような不思議な力が関与していることなどが理解できるようになっている。
ここまでは、原作に忠実に漫画にしてあると思う。

でもバルサは若く見える。原作では三十歳くらいなんだけど。漫画だと、もっと若く見える。二十代初~中盤くらい?
大差ないと思います?
私は、あると思う。
なぜか、という話は原作の感想のときに書きたいと思う。(あーでも原作の感想を書いてしまうと、必然的に漫画のネタバレになるわけで。ちょっと悩む…。)

原作に忠実…は、原作ファンにはうれしいところだが、でも、子供向けの漫画にしてはちょっと文字量が多いかな?と思った。もっと少ないほうが、本当の子供たちには、わかりやすいのではないか。

絵柄も好きだし、アクションシーンの描き方も素晴らしく、さらに「なるほど!」と思えた(原作では、え、ど、どういう動き?と思ったところが、絵だとよくわかった!)のに、星の数を減らしたのは、この理由から。媒体がテキストなら、大人も子供もないと思うのだが、漫画はちょっと違う(※)と思っているからだ。

しかし、実際には、多くの読者は大人なんだろうな。上で「本当の子供」と書いたのは、大人の読者も多いんだろうけど、という気持ちがあるからだ。

「十二国記」のときと似たような現象になってるよね。
これの原作も、十二国記も、もともと児童またはハイティーン向けに書かれたものを、大人たち(主に書評家)が「良い」と言い出して、大人向けの文庫に入り、NHKのアニメになって、という流れが、とてもよく似ているよね。でもあれか、美少年美青年が不足かもねえー。

(※)私自身がそうだったのですが、子供時代、「本」を読むときは、「本は文字だらけ」だと承知の上で読むわけだから、びっしり文字が詰まっていても大丈夫でした。でも「漫画」が「文字だらけ」だと、なんだか萎えてしまうというか疲れてしまうというか、そんな気持ちになって、読む気がうせてしまっていました。そうなると、絵を眺める…ってことになるわけで。
この漫画の場合、その「文字だらけの部分」を落として「眺め」てしまうと、最後の「なるほど!」という面白さが半減しちゃうだろうな、と思うんです。この物語は、出てくる「ことば」自体も大切なので、子供たちが読み飛ばさない程度に、もっとそぎ落とせないかなー。と思ったのです。


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