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小説 「ベルカ、吠えないのか?」 [小説]


ベルカ、吠えないのか? (文春文庫 ふ 25-2)

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫 ふ 25-2)

  • 作者: 古川 日出男
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/05/09
  • メディア: 文庫


小説 「ベルカ、ほえないのか?」
古川日出男 文春文庫(¥570 税込)
オススメ度 ★★★☆☆
(犬好きに読んで欲しい…いや、逆!逆です!読まないほうが良いかも知れない。)




数年前に話題になったときから気になっていましたが、文庫に入るまで待っていました。
お、文庫(↑)とハードカバー(↓¥1,800-)とが、同じ絵ですね。…熊みたい。

ベルカ、吠えないのか?


冒頭にも書きましたが、犬が好きな人は読まないほうが良いかも、です。
悲しくなりますよ。

この本には、何世代にもわたって、軍用犬たちが出てきます。
「ベルカ」というのは、その中の1頭の名前で、ベルカは、あの有名な犬の関係者(?)なのです。

(余談ですが、みなさん、「あの有名な犬」と聞いて、思い浮かぶのはなんですか?
 私の頭に浮かんだのは、まさに、あの犬でした。当たり、でした。)

犬たちの話と人間の戦いの話が、互い違いに記載されていきます。最後には集結するんですけど。

私は、途中でちょっと混乱してしまって、最初から読み返しました。恥ずかしながら。
「たがいちがいだ」と心得ていれば、こんなことはないと思います。(はじめからもっと意識して読んでいれば良かった。)

あーでもその他にも、私は混乱したんだった。
犬が軍隊間でやりとりされていたので、なんだか、名前がわからなくなったり。「あの○○の」と書かれていても、「ん、どんな犬だったっけ?」となったり。
これは、冒頭に、簡単な家系図のようなものが掲載(文庫版のみ?)されているので、それとひきくらべながら読みました。

ってことで、混乱を整理するために途中で読み返したけれど、今、また読み返そうとは思えない。

だって、だってさあ!!
悲しいのよ。
やりきれないんです。

軍用犬は、(当たり前だけど)人間ではありませんから、武器というか、道具なんですよね。
上にも書きましたが、人間の捕虜とは違って、敵軍でも働かされるワケです。
これが人間だったら、政治や欲に振り回される自分の立場に、むなしさを感じたり、迷いを抱いたりすると思いますが、この子たちは犬ですから、「命令されたらがんばるのは当たり前」。
それが彼らの喜びなのでしょう。

もう、もうねえ。
「ああもうそんなお前たち!行くなよっ、もう!!」と何度も言いたくなった。
言っても無駄なんですよね、たとえ私たちの声が届いたとしても、犬は主人の言うことしか聞かないんだよなッ!(興奮)

ああーもう。もう。

この作者の作品は初めて読みました。
全体に、「日本の作品ではない雰囲気」が感じられたのはなぜなんでしょう?
日本の「○○組」みたいのも出てくるんですけど、一瞬、「あら外国の人なのに知ってるんだねえ」と思って、「あら違った、日本人だったよねえ」と思い直しました。
何度もそういうことがあったのは、決して、舞台が外国だからではないと思います。文体?不思議な気分になりました。
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