SSブログ

小説 「探偵ガリレオ」 [小説]


探偵ガリレオ (文春文庫)

探偵ガリレオ (文春文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/02/10
  • メディア: 文庫


小説 「たんてい ガリレオ」
東野圭吾 文春文庫(¥543 税別)
オススメ度 ★★★★☆


こちらもついでに。テレビシリーズのほう(DVDボックス)です。(テレビは見ましたがDVDは買っていないです。)
タイトルは、「探偵」がついていなくて、「ガリレオ」。現在17,885円。
テレビ版のオススメ度も★★★★☆くらい。
DVDには、スピンオフの「ユンゲル」も収録。(主人公が弓削(ゆげ)刑事だから、『ユンゲル』なのかな。こちらは見ていなかった。スミマセン。)

ガリレオ DVD-BOX

ガリレオ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD



事件(それとも事故?)の仕組みがわからず、刑事の草薙(くさなぎ)が捜査の手助けを依頼したのは、大学時代の同級生、福山まさはる…じゃなくて、帝都大学理工学部の助教授、湯川学。
どんなに理解不能な状況であっても、警察では「超常現象」で片付けるわけにはいかないもんね!だから、何とか理屈がつかないか、外部者に頼っているわけです。

科学者の湯川は「超常現象」を信じないので、科学的に説明をつけるために、時には、大掛かりな実験までやってしまいます。
それにしても一体どこから金が出てるんだ。研究費?

ということで、原作もテレビも、基本的には同じ。
「事件(または事故)発覚→警察が困惑→湯川に解明を依頼→実験→解決」という流れです。
原作は短編集、テレビも基本的に一話完結です。

しかしもちろん違いも多いので、テレビ版のファンの方は、その点だけに期待して原作を読んではイケマセン。
テレビではいくつかの「名言」があるけれど、原作本では特にそういうことは無いし、計算式を書きなぐることもありません。

一番大きな違いは、テレビで柴咲コウが演じていた女刑事は、原作にはいない事、でしょう。
テレビでは北村一輝が「草薙」を演じていて、以前は草薙が湯川と組んでいたけれど、今度から草薙の紹介で女刑事の内海が湯川と組んで動く、という事にしてありましたよね。
(「チームバチスタ…」の映画化のときと同様、男女コンビのほうが花があるからそうしよう、という事になったのでは。)

それから、テレビでは、「ガリレオ」が彼のあだ名で、周囲もそれを認知しているという感じだったようですが、原作では、何度か協力を頼んでいるうちに、警察の内部で言い出した呼び名、のようです。第五章で草薙が「ガリレオ」という名を口に出して、湯川が「ガリレオ?」と聞き返していますが、それについての解説は特にされていませんでした。

探偵ガリレオ 【 】内はテレビ版の放映回
 第一章 燃える もえる 【第1回】
 第二章 転写る うつる 【「爆ぜる」と合体】
 第三章 壊死る くさる 【第4回】
 第四章 爆ぜる はぜる 【第9、10回】
 第五章 離脱る ぬける 【第2回】

テレビは10回放映されていて、↑で抜けている「3、5、6、7、8」は、続刊の「予知夢」が原作です。これはまた後日書こうと思います。

「燃える」…夜な夜な集まって騒いでいた若者の中の一人の頭が、突然発火する。
「転写る」…中学生が池で見つけた金属性のデスマスクによって、行方不明と思われていた男性の死が明らかになる。
「壊死る」…入浴中に発作で亡くなったと思われる男性の胸部の一部が壊死していた。
「爆ぜる」…海水浴場で女性が爆死する。同じ頃、男性が変死していた。
「離脱る」…殺人事件の容疑をかけられた男性のアリバイを証明できるという申し出は、超常現象によるものだった。

いずれも「誰が」「なぜ」「どうやって」という、ミステリの王道が示されます。
湯川は「どうやって」を中心に解き明かしていきますが、その過程で必然的に「誰が」と「なぜ」も浮き彫りになります。
あとは草薙のお仕事ね。

それぞれのトリックは、かなり偶然に左右される要素もあると思いますが、「起こりうる現象」として説明されるので、「そういう事もあるのかも知れないな」とか「そういう事もあるんだろうな」と思わされます。
本当のところ、そういう事を起こせるのかどうか、私にはわからないけれど。

それよりも、そういった現象を体験した人間がどう解釈するのか、という事のほうが、重要なんだな。
だけどすごくあいまいなんだなこれが実は。

例えば夜中に不思議な声が聞こえてきたとして(そういう話は無いですが)、「霊だ」と思っておびえるか、「隣の人、迷惑だな!」と思って怒るか、全然気にしないで忘れてしまうか、その人によって違いますよね多分。
特に第五章の「離脱る」の「目撃情報」は、超常現象としか思えないような状況であって、恐らく現実には「ありえない」で終わってしまって、警察に言いに行くことはないだろう、という話だと思います。
小説なんだからさ!と言ってしまえばそれまでだけど。

それを、「そういう事もあるかも」と読者に思わせるのが、作者の筆力なのだろうと思います。
この方は本当に上手ですよね。(うわー不遜かな!)
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

誰かーAmazonにも福袋が ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。