漫画 「猫絵十兵衛御伽草紙」 [漫画]
※本当は、「御伽草紙」の「草」は、旧字体です。(草かんむり部分が十と十です)
Amazonで画像が出ていないので、でも是非猫の顔を見てほしいので、撮ってみた。
漫画 「ねこえ じゅうべえ おとぎそうし」
永尾まる 少年画報社(¥600 税別)
オススメ度 ★★★★☆ (猫が嫌いな方にはオススメできません。)
本屋でこの本を見かけたとき、
「ああっ…!(好きかも)」
と思い、しかしちょっと待て「ジャケ買い」は危険かも知れない、全く読んだことがない作者だし。
と思って、少女マンガ雑誌が置いてあるコーナーに行き、初めて「ねこぱんち」という雑誌を見ました。(めったに立ち読みはしないのですが…)
いやあ~。
みごとに猫の漫画ばっかり載っているんですねえ。ねこぱんち。
(当たりまえなのか。)
で、「猫絵」の連載も、ありました。
ちょっとだけ読んで、とても好印象だったので、購入しました。
そして「正解だった!」と思う。
江戸時代、主人公の十兵衛は絵描きなのですが、ヒトよりも動物を書くのが得意で、ネズミよけの猫の絵を描いて、お金を得ています。
この、ネズミよけの猫の絵に命を吹き込むのが、十兵衛の相方の、人語をあやつる不思議な猫、ニタ。
(ニタさんの出自らしきお話が、あとで出てきます。)
この一人と1匹を軸に、色々なお話が展開していきます。
飯屋のおじいさんと飼い猫、大きなお店のぼっちゃんと子猫、茶屋の娘とノラ猫、花魁と飼い猫、猫嫌いの浪人と押しかけ子猫、絵の修行をしている少年と人を怖がる猫。
この本には、6つの話が載っています。
(あとがき漫画と、「Cats Moon」というヒデヨシ系の話も載っています。)
帯に「猫情噺(にゃんじょうばなし)」と書いてあるように、猫と人間の、ほろっとくるお話が多いです。
つーか、泣いた。
泣ける。
(でもねでもね、「そういう類の話」は、ちょっとズルイよおー。
動物が出てくる話といえば、多分「そういう類の話」が出てくるんだろうなーと思いますよね。
そしてやっぱり「そういう類の話」が、あるんですよー。これは泣くなと言っても無理。
たとえ架空のお話であっても「そういう類の話」を読みたくない方は、読まないほうが良いですよ。)
不思議猫、ニタのオッサンさ加減が、これまた良いですよねぇ。
オス猫を飼ったことがある方は、猫のオッサンさ加減をご存知なのでは?「こいつ…、背中のファスナーあけてオッサンが出てくるんじゃないのか?」とかね!
可愛い絵柄ではないのですが、江戸時代という背景であることもあって、内容にマッチしています。
逆に、現代を舞台にしていたら、華やかさに欠ける絵柄なのかも知れませんけれども。
この場合は、この絵が良いんですね。
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作者のブログを見つけて、数日間読んでいたのですが、先日、なんつーか、リアル「そういう類の話」が書かれまして。
あああああ。
それはつらい、それはつらいわ。(泣きそうだ)
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