SSブログ

小説 「幻夜」 [小説]

幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))

幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/03/20
  • メディア: 文庫

小説 「げんや」
東野圭吾 集英社文庫(¥1000 税込)
オススメ度 ★★☆☆☆

以下、超ネタバレです。未読の方はヒキカエセ。



「白夜行」の続編と位置づけることが可能な作品。(白夜行についてはこちら。アラ2年も前に読んだのね私。

阪神淡路大震災の直後、男は大きな罪を犯す。
そして、それを目撃したらしき女に出会うが、女は何も言わず、男の罪を隠す手伝いまでしてくれる。
二人は一緒に東京に出、女は、男を陰で使って、のし上がっていく。
はじめは女の言いなりになっていた男だが、やがて、自分も女から欺かれていることを知る。
「彼女は、本当は誰なのか」?

華やかな表舞台に立ちつつも闇を抱えている女と、その女をひたすら支える男、という構図は、「白夜行」と相似だ。
しかし、二者の絆が全然違う。

そもそも、年季が違う。
「白夜行」では、小学生の頃から十数年のつきあいだ。
だが、「幻夜」は、出会ってからほんの数年の間の話だから、女は男にたびたび「愛しているなら我慢しろ」と強要しなければならないし、それでも男は女を信頼できなくなってしまう。

作品中、特に最後のほうに、続編であることを示唆する記述が複数存在しているので、読者は「彼女は実は『白夜行』の雪穂なのだろう」と思うことになる。
多分、そうなのだろう。
そうなんだろうけど。

私は、「雪穂のその後」の人物像に、とても強い違和感を抱きながら読んだ。
もしこれが本当に雪穂のその後の姿だとしたら、一体どんな心境の変化があったのか。彼女は一体どうしちゃったんだろう?

美の追求のために整形を繰り返す姿には、鬼気迫るものがある。
一番の理由は「過去を隠すため」なんだろうけど、なんと言うか、中毒になっているみたいなカンジ。
本気で過去を隠したいなら、有名人にならないようにすれば良いのに。
過去の自分を知っていそうな人をわざわざ葬る割には、派手すぎ~。写真週刊誌とかに載ったら破滅だろうに、つくづく目立つのが好きなのね。

…はっ!
彼女は、もともと「彼(亮司)以外の男」は全て手玉に取っていたではないか。
今回のパートナーも、彼女にとって単なる「彼以外の男」だったとしたら、絆など、無くて当然ではないか!

「彼」を失って、彼女はぶっ壊れてしまったのかも知れない。
変になっちゃったのかも。
だから仕事(?)が雑なのかも。
「私を御覧!」と言っておいて、「私を知ろうとする者は殺す!」なんて滅茶苦茶だ。

それにしても、本作のラストには、すごく不満だ。
これまた「白夜行」にちょっと似ている。でも違う。

読んだ限りでは、彼女の策は中途半端だった。あれでは1件しか解決出来ない。
「ちょーヤバイ状況だったけど、1つ手を打っておいたら、たまたま2件いっぺんに何とかなっちゃいました~、ラッキー」なんていう終わり方はダメでしょー。
最後までキッチリ、超極悪な方法で、片をつけて欲しかった。

だから、私は、こんな彼女が白夜行の雪穂であって欲しくない、と思ったりもする。
「正体は、雪穂にあこがれて、雪穂になろうとした女だった。」という真相なら良かったのに、と思ったりもしている。
どうしても「白夜行の雪穂」を美化してしまうんだなー。

*****

「幻夜」がドラマ化されることになった。
主人公は深田恭子。うーん?したたかさを感じないんですけど。わざと?

あと、「白夜行」は映画化されるようだ。
堀北真希?ウーン?

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。