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映画 「サイレントヒル:リベレーション3D」 [映画]

ネットフリックスで見ました。

映画 「サイレントヒル リベレーション スリーディー」
監督:マイケル・J・バセット 出演:アデレイド・クレメンス、ショーン・ビーン ほか
(株)ハピネット (DVD ¥3600くらい)
オススメ度 ★★☆☆☆

オススメ度低めの理由は後述。

「Revelation」は、啓示とか暴露という意味です。
今作は、映画「サイレントヒル」(2006年)の続編で、2012の作品です。
「2012-2006=6」ですが、映画の中では10年くらい経過している設定みたい。
前作で小学生くらいだった子が、高校生くらいになって出てきます。

原作(ゲーム)との関連でいえば、前作が1作目の、今作が3作目の映画化です。
1作目と3作目の登場人物が共通していて、2作目は別人だからでしょう。

私は、ゲーム未プレイです。
人がプレイしているのを見たことだけ、あります。
見ているだけで怖かったです。

以下、超ネタバレ。(前作の激ネタバレも含みます。)


正直いって前作の映画のほうがおすすめかなー。
前作にあった、どうにも画面を見ずにはいられないエグさ、
混沌の中の静謐さは、今作には感じられませんでした。

じゃあ前作を見ていなければどうか?と想像すると、
なおさら、「わけわからん」となりそう。

先に「減星」要素を書いておきます。

たぶん、多分ですよ、
この映画は、「3Dだから迫力があるシーン」が満載なのでしょう。
それを、普通に3Dではない状態で見ると、そうでもなくなっちゃったのでは。

でもさ、実は「飛びだして見えて驚く」っていうのは、
ホラー映画には不要な要素だと思っているのよ私は。
ちゃんと中身で驚きたい。

それから、映画の筋立てが何だか終始慌ただしくて、
人の心理というか、それぞれの動機や思惑、
「なぜそこまでするのか」が、あまり伝わってきませんでした。
だから「そこまでしなくても」と思ってしまって、興が削がれた気がします。

また、異形についても、ちょっと残念でした。
今作においては、当然ながら、前作で見て知っている異形には、驚かない。
新型でも、一種のバリエーションなのかなーと感じました。
(一体、前作に出てこなかったスゴイのが出てきますが、
 弐瓶勉氏の漫画に出てきたモノに似ていたので残念。
 リアルにどちらが先か知りませんが。)

「サイレント・ヒル」シリーズでは、異形達も重要ポイントだと思います。
前作において、異形は、誰かの悪夢を見ているかのような、
絶妙な気分にさせてくれる装置でした。

特に、前作で主人公が初めて異形に直面するシーンは、忘れられません。
何かが、よじれながら近づいてきて、本能的に、
「あれは何だあれは何だあれは何だ」と、凝視せずにいられない。
やっと形を認識すると今度は、
「そんな筈はないそんな筈はないそんな筈はない」と、やはり、目が離せない。
これが「どうにも画面を見ずにはいられないエグさ」です。

あとねぇー肝心の「サイレント・ヒル」(場所)がね。
前作の、表裏の入れ替わり感って、ありましたっけ?
主人公の白昼夢と重なっていて、わかりにくかったのかな。
雪のようにふわふわと灰が舞う不思議感も、
今作にはあまり無かったような。

恐らく2作目の宿命なのだと思います。
多分私は、過大な期待を抱いていたんです。

*****

主人公(女子高生)は、間もなく18歳になる。
彼女は10年前以前のことを覚えていない。
このところ毎晩、「サイレントヒル」という町で何者かに襲われる悪夢を見る。

彼女と父親は、名前を変えながら町を転々としている。母親はいない。
彼女は「以前、父が追っ手を殺してしまった事」が原因で逃亡している、と思っているようだ。
(そもそもなぜ追手がいるのか、彼女は追求していないみたいです。)

 ※彼女が前作の「シャロン」だと知っていれば、展開が見えてくる。
  シャロンは、サイレント・ヒルで強い怒りと恨みを抱き、悪魔と契約した、
  アレッサという少女の、善なる人格だ。
  となれば、悪が善をアレしたり、善が悪をアレしたり、ですよね!

その日、彼女は数回目かの転校の挨拶をした。
なぜか転校生はもう一人。男子で、ちょっとイイカンジ。
その後、彼女は学校で、目覚めているのに、あの悪夢を見る。
(この辺の演出は、表と裏の世界の入れ替わり的で良かったです。
 ただし絵面はストレンジャーシングスっぽかったのは否めない。
 要するにお約束の情景なんです。)

帰宅すると、父親が誘拐された事がわかる。
壁には「サイレントヒルに来い」と書いてある。父親が書いたようだ。
(うーん?これ父親が書いたとしたら変だよね?
 脅されて書いた割には、「あるマーク」が丁寧すぎ。)

主人公は、父親を救うべく、サイレントヒルに向かう。
あの男子転校生も、巻き込まれて一緒に行動することに。

途中で、男子転校生から「やはり行ってはいけない」と言われて戸惑う主人公。
実は、彼は、サイレントヒルを本拠地とする「教団」の関係者で、
彼女をサイレントヒルに誘導する役目を担っていたのだが、
彼女と接するうちに、彼女を守りたい気持ちに変わってしまったのだ。

しかし、父親を助けたい主人公は、彼のアドバイスを聞き入れず、
危険と知りながらも、町に着く。

ここから怒涛の
「襲われる→逃げるまたは反撃→襲われる→逃げるまたは反撃」
の繰り返し。

彼女を殺してしまっては意味がないだろう、と思うけれど、
実際は、彼女を生きたまま捕らえたい勢力と、
殺してしまいたい勢力がある様子。
だから、「中盤で主人公と男子転校生が死ぬわけない」と
わかっていはいても、あまり安心して見ていられない。

男子転校生も、教団への裏切りがバレてピンチになるが、
前作にも出てきたゾンビっぽいナースたちが、
どういうわけか全く言うことを聞かず、助かる。
(ホントどうしたの?
 「一味の中にオバカがいて主人公助かるパターン」なの?
 男子転校生が何かして言う事聞かなくなる方が良かったのに。)

途中で、「アレッ?!」と思うシーンがある。
サイレントヒルシリーズで最も有名と言っても過言ではない「三角頭のアイツ」が、
何やら、主人公を助けるような行動をするのだ。
しかし、彼女は気づかなくて、三角頭からも逃げ惑うのだが。

そしてもちろん、
「悪の彼女が善の彼女をアレしようとするも、善の彼女がアレしてしまう」
という、予想通りの展開もある。

その後も色々あるのだが、
何と、最後の最後も、「三角頭のアイツ」のお陰で助かるのだ。
えーーー。
どんでん返しと言えばそうだけど、これで良いのだろうか。

と、ちょっぴり不満の残るストーリーでした。
原作の要素を全くそのまま取り入れているわけでもないのに、
(原作ゲームでは死んでしまう人が、映画では死ななかったり)
何か、状況説明にいっぱいいっぱいで、悪役の描き方も弱かった気がします。
主人公の「善」面も、イマイチ弱かったかもしれない。

ただ、主人公の女の子は可愛かったね!

***** ↓10/8(月)追記↓ *****

前作とのつながりについて、補足。

前作のラストでは、母親と娘は「この世界」に戻って来ませんでした。
(霧に包まれた自宅に母娘二人が戻ってくるシーンと、
 霧がない自宅に夫一人だけがいるシーンが交互に描かれて、
 二人と一人が出会えない事がわかる。)
それで、「能動的にこちらに戻ってくるのは無理なのかな」と思うわけですが。

今作では、回想シーンで、昔(10年前?10年未満前?)に、
娘だけが自宅に戻ってきたシーンが描かれました。
(夫が鏡越しに妻の姿を見るが、振り返ると妻はいない。
 娘だけが、あるアイテムを持ってソファに寝ていた。)

このシーン無しには、父と娘による続編は作れないわけだけど、
母親が戻って来られない理由が、むしろ、わからない。

「あのアイテムのお陰だ」とも考えられるけど、
教団の人々は何度も出入りしているようだし、
あの転校生男子だって、そうですよね?

もうさー、お父さんは、行き来の仕方を聞けば良いじゃない。
そうすれば、こっちで十分な支度を整えて向こうに行けるし、
普通に行き来できるんじゃない?

と思ってしまいました。
あまり理詰めで考えると台無しー。

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