小説 「さようなら、ギャングたち」 [小説]
(2007/9/7記: えーっ今もう普通の講談社文庫に入ってないの?文芸文庫1260円?高い!)
小説 「さようなら、ぎゃんぐたち」
高橋源一郎 講談社文庫
オススメ度 ★★★☆ ☆:*:・°(かわいくしてみた)
しばらくレビュウしていなかったのだが、触発された。
http://210.135.98.1/zc/view.php3?m=1&n=4619&p=237
ちょっと書きたくなった。
この小説は、ちょっとズレた未来のお話、という感じ。
人々には名前がなくて、恋人から新しく名づけてもらうのが、それが、愛の証明。
という時代のお話。
私が(この本を)読んだのは、ちょうど「所謂純文学」の中に、ポップとかいう要素が入ってきた頃。
「わたくし」ではなく「僕」が主人公になってきた頃。
「島田雅彦いいよねー、読んだことないけど」とか
「村上龍より村上春樹だよねー」とか
「ミニマム文学ってカッコいいよねーよくわかんないけど」とかとか。
※この頃のことを思い出すと芋づる式にトシバレ発言が出てきそうだから省略だ。
当時、この作品は、「ポップ」と評されていたと思う。
しかし私はむしろ「キュート」とか「リリカル」と受け止めた、と思う。
散文詩が小説仕立てになっていると呼ばれている、そんなイメージ。
詩的、叙情的、カワイイ、そしてかわいそう。
(ストーリーを思い出そうとすると、悲しい気持ちになってくる。筒井康隆の「お紺昇天」のストーリーを思い出す時の気持ちと似ている。たとえがマニアックすぎ?)
オススメ度があまり高くないのは、かなり好悪が分かれると思ったから。
詩が好きな人には強くオススメする。
特に、谷川俊太郎とか、あのへん。
あと中島みゆきと大島弓子が好きな方も。是非。
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追記 2004-11-09 19:41:33
これは他の作家やアーティストにも言えることだけれども、デビュー作がその作家の最高傑作になることが、往々にして、ある。
この作品もそうかも知れない。
まだこれから先色々書くんだから!とか
「○○」のほうが傑作だよ!とか
怒る方もいらっしゃいましょうが。
でも、「さようなら、ギャングたち」には、高橋源一郎のすべての要素が入っている気がしてならない。
…一時期いっぱい読んでいたのですが、ここ数年(高橋源一郎の作品を)読んでいないので、
「アンタなんにもわかってないよ」
と言われるかしらね。
ただ、「ここ数年読んでいない」という事実。
読もうと思わなかった、それは事実なのです。すみません。
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