映画 「間宮兄弟」 [映画]
出演:佐々木蔵之介、塚地武雅 監督:森田芳光 発売:アスミック (Amazonにて¥4,935 税込)
オススメ度 ★★★★☆
三十代、独身。同居している仲良し兄弟が、「間宮兄弟」。週末にはポップコーンを食べながら一緒にDVDを鑑賞し、時には銭湯でのんびりし、互いに理解し合い、いたわりあって暮らしている。
公的には、二人ともちゃんと「大人」をやっている。仕事もちゃんと「大人」としてやっている。でも、私的には、二人とも中高生、という感じ。…オタク?
もし、「別にこのままでいいじゃん!」と思っているのなら、この楽しい私生活の中に、女性という要素を取り入れる必要なんか全く無いし、心を乱されることも無い。でも、彼らは大人の面を持っているから、自分たちが女性と交流すべきなのだ、と自覚している。
そこに悲喜劇が潜んでいる。
私にも「このままでいいじゃん」な知人がいる。「恋人は作らないの?」と聞くと、「いらない、めんどくさいから。」と言う。そうだろうね、その通り。自分の趣味を極めていきたいのなら、余計なことにお金や時間を使いたくないよね。私の知人は、ある意味幸福な人だと思う。傍から見てどう見えようと、本人にとって悲劇が訪れることは無い。
間宮兄弟は、「このままイイトシして兄弟で遊んでいるってのも、ナンだよね?彼女作らなきゃ…だよね?」と思っているので、「女性を招待してホームパーティをしよう」と思いつき、実行に移す。招待したのは、弟(塚地)の職場の同僚(常盤貴子)と、行きつけのレンタルDVD屋の店員さん(沢尻エリカ)、二人とも美人だ。弟は、どちらかが何とか兄(佐々木)とうまくいって欲しいな、と思っている。のだが。…これがそのままうまくいっちゃったら、映画にならないよネ。
かといって、これといって大きな山があるわけではない。大体において、たんたんと話が進んでいく。
途中、沢尻エリカの妹とその彼氏もかかわってくるんだけど、これが、間宮兄弟にとっては、「普通だったら絶対接点がないハナヤカ人種」なので、ミスマッチで面白い。二人とも、間宮弟に妙になついてしまうんだよね。大きな山ではないけれど、スパイスが利いている。
ところで、若い世代にとっては、「自分の好きな曲を編集したテープを人に渡す」という行為って、キモイだけなのかな。ストーカーだ、みたいな感想を見かける。
この行為、まさに、私の中高生時代には普通に行われていたので、「それを思い出すと痛い行為」、「(昔の)青い行為」であって、「間宮兄弟の私的面は中高生で止まっている」事の証拠として使われているんだと思う。
あっそっか、本人には「ステキな行為」で、若い人には「ストーカー行為」で、同世代には「青臭い行為」だ、って事ですよね。うん。
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