漫画 「見送りの後で」 [漫画]
樹村みのり ソノラマコミックス(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)(¥609 税込)
オススメ度 ★★☆☆☆ あああ私は大好き、だけどオススメしにくいー。
きっ樹村みのりだっ!
「ネムキ」?なんで???
樹村みのり。最近めっきり寡作なようです。
いまAmazonで検索してみましたが、2007年3月の「ねこです!…」という本は、同書のカスタマーレビューによると、短編が、他の漫画家の方々と一緒に収録されているもので、しかも新作ではない、とのこと。
その前は、2006年5月の「カッコーの娘たち」の文庫版。これ、元々はずいぶん前に出ていたコミックスだよね?…昭和54年(1979年)だって。
Amazonには売っていませんが、私は1989年発売の「土井たかこグラフィティ」というコミックスも持ってます。(なぜ土井たかこ?と思いつつ。)少なくとも表題作は新作だったと思う。
というわけで、この本は、1989年以来、久々の新作…?
えーマジデスカ?
ビクトル・エリセ並みの寡作…いや、以前(70から80年代)はたくさん描いていたので、エリセとは違うよネ。と思ったら、最近は商業誌以外に描いていたらしいです。詳しいことはちょっと分かりません…すみません。
収録作品
・見送りの後で
・星に住む人々(1976年の作品のリメイク)
・風のささやき
・また明日、ネ
・柿の木のある風景
樹村みのりの絵柄は、少女マンガと呼ぶには独特かも。ストーリーも。イケメンとか出てこないし。(樹村みのりにイケメンなんか出ちゃ駄目だ駄目なんだ!)
購入するときにそばにいた友人(女)は、↑表紙を見て、「うわ何、こわい。買うの?こわーい。」と言いました。なんで?もしかしてホラー漫画に見えたの?
これは裏表紙の絵。
うわ。確かに、うわ。だ。見ようによってはホラーに見えるかも知れない!違うよー。「ネムキ」だけど違うんだよーーーー。
なんだろう。何に例えたら?
音楽なら、「70年代のアメリカの反戦フォークソング」?ただ、前面に押し出す感じじゃない。今でいえば「千の風に…」系?それもちょっと違うか。文学なら純文学…でもないし…第三の新人的な…ウソです単語を思いついただけ、うーんうーん。
いわゆる「24年組」の一人なので、「少女マンガであってそうでもない」作風、という定義にあてはめて考えることも可能かも。(自信がない。そもそも何故こんなに必死にカテゴライズしようとしているのか私は?)
(気を取り直して)
「見送りの後で」と「星に住む人々」はいずれも、亡くなった者を「見送る」話です。前者は年老いた母親を、後者は自分が生まれる前に亡くなった幼い姉を。
「見送りの後で」の主人公は、中学生の娘を持つ、学校の先生(女性)。
やはり数年前に父親を亡くした同僚から、「本当に悲しくなるのはいろいろ片付いてからだ」と言われるシーンがあって、ああそうだったなあ…と思いました。私もそうでした。(父親ですけど。)
じんわりと、主人公の心情と自分の心情が重なって、読み返すと涙がーーーー。
母親と会えなくなったことについて、「悲しいが寂しくはない」と主人公は述懐しますが、私は、逆だなァ。悲しくはないけれど、ちょっと寂しいなと思うことはあります。男親と女親の違い?
「星に…」については、世代によってとらえ方が全然違うのでは?
『あの時代』を思い出せる人々は、ある種の感慨をもって、「我々はー」なんていうセリフを読むのだと思います。そうでない人たちは、「ふうん?」と思うだけなのでしょう。別にそれで良いんですけども、それだと、面白くはなかろう…。
そういえば、先日、「昔、大学生が角材で機動隊と戦ったことがあった。」と言ったら、「戦うって。何のために。嘘でしょ?」と言われました。学校では教えないのかな?私は、「そっか、知らないんだー」と言いましたが、「うっそだー」なんて笑いながら言ったら、団塊の世代にブットバサレルんじゃあ…?(私、団塊の世代ではないです。念のため。)
本筋とは直接関係ないのですが、元版には、壁画を描くシーンで、紙やすりか何かで「サリサリ」と壁を削るシーンがあったように記憶しています。私にはナンダカそれがすごく印象的だったのですが、リメイクでそういう表現は無かったので、作者的には大事じゃなかったんだね?と思いました。
そういう事って、あるよね。
他の作品についても書きたかったのですが、なんだか長くなってしまいましたので、やめておきます。
コメント 0