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漫画 「竹光侍」 現在4巻 [漫画]


竹光侍 1 (1) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

竹光侍 1 (1) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

  • 作者: 松本 大洋
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: コミック


漫画 「たけみつざむらい」
松本大洋 (作:永福一成) 小学館(¥900 税込)
オススメ度 ★★★★☆



松本大洋の作品を読むのは初めて。
今更読んでみようと思ったのは、店頭で新刊の4巻を見かけて、面白そうだと思い、1巻から3巻の裏表紙も見てみたら、猫が描かれていたから。私にとって、猫の存在は大きい。
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以下に書くストーリーの裏側で、この猫たちもストーリーを持っているので、ちょっと楽しいです。(犬も出てくる!)

大工の息子、勘吉は、長屋のお隣に引っ越してきた不思議なお侍が気になって仕方がない。
時々感じさせる気迫のようなものが、彼に、そのお侍が、もののけにとりつかれていることを感じさせるのだ。
裏にいる猫も「あいつは血なまぐさい」と言っているし…。(勘吉にそれが分かるのが面白い。)

この侍は、瀬能宗一郎といい、ワケアリで信濃(静岡あたりか)から江戸に出てきた。
絵柄からすると、いい大人なのだが、どうやらとても若いらしい。

彼は、剣の達人で、強い者を見ると手合わせを希望しないではいられない。
本人は、対決することが楽しくて仕方が無いのだが、それは単なる「道場破り」であって、歓迎される行為ではない。無邪気に「また来ても良いか」と尋ねれば、断られるに決まっている。
しかし、そういうこと(体面とか)を、彼は理解できない。その結果、さまざまなトラブルを引き寄せる。というか、何度も繰り返さないでいられない。
繰り返さずにいられないことを自分で知っているから、少しでもそのトラブルを軽減しようと、彼は自分の刀を質屋に入れてしまう。

トラブルを避けようとするのではなく、起こるトラブルを軽減しようとする、ということ。

彼のまわりでは、小さな事件、大きな事件がのべつ起こっている。命のやり取りにまでつながっていくこともあって、恐ろしく、そして興味深い。
これからどうなっていくのか。

宗一郎の変さ、風雅さ、面白さが勘吉の目を通したり通さなかったりして描かれ、とても魅力的だ。
江戸の人たち、とりわけ、長屋の人々や岡っ引き(その手下の下っぴき)の生態?もわかって、面白い、そして哀しい。涙が出るシーンもありました。

絵がいいんです。
突然ピカソみたいな感じ(反対側の目が飛び出してたりするの)になることがあって、うわーおもしれー、と思う。他の作品はまた違う絵柄なんだろうか?
あと、コマの枠線が、「普通の漫画」とは違っている。これもいい感じだ。
効果音そのものが変わっているし、時として、効果音も吹き出しの中に入っている。最初はそれに慣れなくて、歩くとき自分で「きゅっ」って言ったのかと思ったけど。

なんといっても一番面白いのは、登場人物の想像(妄想?)が、現実と地続きに描かれるところ。しかもそれを他者と共有しているらしいのが、とても不思議。
例えば、宗一郎が勘吉に、「蝶のように」飛んで見せると、勘吉には、本当に大きな蝶が見える。
また、宗一郎が矢場の女に、「何でも好きなものを射る」と告げると、二人はたちまち山の中に入って、イノシシや鹿を追っていく。

こういったシーンが何度も登場して、とても魅かれます。江戸時代って、本当に、そうだったんじゃないのかなーと思ったり。ホラ「見立て」ってあるでしょう?

いいかげん落ち着こうと…じゃなくて、周りの者が、落ち着いてもらおうとして勧めるんだけどね!…寺子屋の先生を始めた宗一郎ですが、大きな事件の渦中から逃れることが出来るわけがない、と、本人も、読者も、わかっています。

先にも書きましたが、あれやこれやが、一体これからどうなっていくのか。
次巻が待たれます。
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