漫画 「１００年たったらみんな死ぬ」上・下 [漫画]
- 作者: 松田 奈緒子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: コミック
- 作者: 松田 奈緒子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: コミック
あっまた「下巻」が「３」になってるし。Amazonさん、なぜなんだい？
漫画 「ひゃくねん たったら みんな しぬ」 上・下
松田奈緒子 講談社 ワイドKC Kiss（各￥819 税別）
オススメ度 ★★★☆☆ （途中までは★★★★☆なんだけどなー。）
収録作品
１００年たったらみんな死ぬ （連載８回分で完結）
ガッツ丸出し！！ （エッセイ風４コマ漫画）
ビニール （読みきり）
「みんな死ぬ」…、はげしい題名ですが、少女マンガです。
ただし、前の作品のときも書きましたが、いわゆる「少女マンガっぽく」はないです。日常の中に人生を描いてある、というか…。
この独特の絵柄は、好き嫌いが激しく分かれると思います。
初めてこのタイトルを見た時は、「そうだよねー、そりゃそうだろうね！」と思いました。
この方の作品、タイトルが面白いんですよね。「レタスバーガープリーズ．OK，OK！」とか。シビレる。（前回書いたのは「歌」っていうタイトルだったけど。）
どんな内容か、っていうと、上巻の帯に書いてある、
これ。こういうお話。印象としては、４分割で良いんじゃないの？と思いますけれど。４人家族のお話です。
父は元企業戦士。しかし、定年間近の今は、ひたすらに「イイヒト」。イイヒトであるがゆえに、夜はホストをやることに。
長女は雑誌の編集者。仕事に打ち込みながら、彼と別れようかと悩んでいる。（普通につきあっていたのだが、彼が『できちゃった結婚』をしてしまったのだ、…っつーことはフタマタされてた、って事か。）
長男はひきこもり気味。希望の大学に入れなかったことが引金。時々大学に行ってはみるのだが、なんだか自分が許せなくて、なかなか部屋から出られない。
次女は高校生、いわゆる腐女子。（自民攻めの民主総受け、って…おいおい）早く自活したい、と思っているが、政治家になりたいという夢も持っている。
この家族たちそれぞれが経験する、色々なお話。それぞれに悩みながら。
リンクすることもあるし、自分だけで解決することもある。
母親は、何年か前に家を出て行ってしまったらしい。
長女はそれを父のせいだと思い、父が許せない。でも、次女は、父のせいだけではないのだろう、と思っていて、長女が父を責めるのは、自分の仕事がうまくいっていないからでしょ、と、いたってドライ。
まわりの人物も、誰も彼も、ひとクセもふたクセもあって面白い！
父親をスカウトするホストクラブのオーナーは、ちょーーイケメン！白い歯がキラーン！！
長女の上司の編集長は、流行に敏感で、異様なまでの若作り。でもやり手だから、皆の憧れの的。
長男の親友は漫画オタク。ほしい漫画を手に入れるためなら、漫画好きのアソウ大臣の家まで行っちゃう。
などなど。
私が好きなのは、進路に悩む次女が、学校帰りに買い食いしながら、お友達と話すシーン。（第二話。以下意訳。）
「今は、いい大学を出ても就職できない人もいるし、就職してもリストラにあったりするし」
「昭和には確かなモノはあったのか？」
「あったらしい。夢とか希望とか、ミライとかドリフとか」
いやー、激しく笑いました。
『ミライとか ドリフとか』の部分は書き文字で、それがまた良くて。これまた、「そうだよねー、そりゃそうだろうね！」と思いました。
うーん、ここだけ取り上げても、この作品の面白さは伝わらないよねえ。
他にも、なんとも「響く」シーンが多々あるんですけど。
残念ながら、最後はなんだか、ちょっとバタバタした感じ。「あれ？」と思っているうちに終わってしまいました。（だから星を１つ減らしたのです）
掲載雑誌の「Beth（ベス）」が８号で終わってしまったので、それに合わせてあっさりと終わってしまったんですね。
そうでなければ、「レタスバーガー」並みのボリュームで、もっともっと楽しませてくれたのかも知れません…、いやいや、「もしも」の話をしてもしょうがない。
掲載誌を変えて連載を続ける道だって、無かったわけではないでしょう。あっさり終わったのは、作者の判断なのでしょう。
人生だって同じだものね。 なんてね。
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