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小説 「ブラックペアン1988」上・下 [小説]

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/12/15
  • メディア: 文庫
ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/12/15
  • メディア: 文庫

小説 「ブラックペアン 1988」上・下
海堂尊 講談社文庫(各¥440 税込)
オススメ度 ★★☆☆☆

↓ネタバレ注意

「チーム・バチスタ」では病院長の高階が、この作品ではまだ講師の立場で登場する。
また、若き日の田口、速水、島津も登場するので、その意味では面白い。

しかし、作品としては、面白いとは言い難い。
私は不愉快な気持ちで読んだ。

医者の間の力関係とか、思惑とかで、例えば「そんな大口を叩くなら、じゃあ君、この患者の手術をやってみたまえ」的な会話になるのが、ものすごく嫌な感じだった。
突然担当医が変更になる理由が、↑のような事だなんて、全く患者の気持ち置いてきぼり。

医者にとっては、「この手術は何百回のうちの1回だ」という感覚でも、患者にとっては一生のうちに1回あるかないか。命を懸けているわけで。

この、患者と医者の感覚のズレは、小説全体を通して流れているイヤーなBGM、というカンジ。
もしこのイヤなBGMを、作者が意図していなかったとしたら、怖い。

おなかの中に「ペアン」(手術道具です)を置き忘れた、という事を、「その患者にとっての一大事」と捉えず、「置き忘れたことを隠蔽した医者の責任」と捉えるなんて、感覚的にオカシイ。
隠蔽ではない、理由があるのだ、と釈明する機会は、いくらでもあったハズ。なのに、機会が無かったの一言で片付けるのは安易すぎないだろうか。(何か理由があると思って読んでいたんだけど)

全編を通して、患者の命が、院内の力関係を左右する道具みたいに扱われているのが嫌だった。
最後も、ホッとしながらも、「やっぱり患者に説明しないつもりなんだね?」とがっかりした。

まさか現実にこういう事はないと思う、思いたい。小説だからだよね?

そんなことは話の筋に関係ない、と言う人もいるかも知れない。
そうだろうか?
関係ないだろうか?
私が神経質すぎるのだろうか。

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