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漫画 「死刑執行中 脱獄進行中 荒木飛呂彦短編集」 [漫画]

死刑執行中 脱獄進行中 (SCオールマン愛蔵版)

死刑執行中 脱獄進行中 (SCオールマン愛蔵版)

  • 作者: 荒木 飛呂彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1999/11/19
  • メディア: コミック

漫画(短編集) 「しけい しっこうちゅう だつごく しんこうちゅう あらき ひろひこ たんぺんしゅう」
荒木飛呂彦 集英社(¥1200 税込)
オススメ度 ★★★★☆
(ジョジョシリーズ第四部「ダイヤモンドは砕けない」を読んでいない方には★★★3つ。)

文庫版も出ています。
絵が見たい方は↑を、ストーリーを知るだけで良い方は↓を。
死刑執行中脱獄進行中 (集英社文庫 あ 41-54)

死刑執行中脱獄進行中 (集英社文庫 あ 41-54)

  • 作者: 荒木 飛呂彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/09/16
  • メディア: 文庫


↓超ネタバレです。


コミックスとしては高額なので迷ったが、いくつか読んでみたい作品があったので購入。
短編集で、最後に作者による簡単な作品解説も掲載されている。
収録されているのは以下。

「死刑執行中 脱獄進行中」
「ドルチ ~ダイ・ハード・ザ・キャット~」 (前後編?)
「岸辺露伴は動かない エピソード16:懺悔室」
「デッドマンズQ」 (1話+前後編)

**********

「死刑執行中 脱獄進行中」

冒頭、殺人犯に死刑が宣告される。
彼が殺したのは、自分に嘘をついた少女。
彼は「自分をだましたのだから、殺されるのは当然のこと」と思っている。

そんな彼がいる牢屋が、どうもおかしい。
蜂にさされたり、怪我をしたり。
しかも看守を呼んでも誰も来てくれない。
ついに彼はその意図に気がつく。

この作品は、「ジョジョ」シリーズとは直接関係が無い。
あり得ないシチュエーションなのだが、何と言うか、なんともかんとも黒々とした雰囲気でありながら非常に『冴えた』ラスト。
エドガー・アラン・ポーの短編のようだ。
サスペンス物が好きならば、是非読んでみてほしい。ただしグロいシーンが多いので注意。

***

「ドルチ ~ダイ・ハード・ザ・キャット~」 (前後編?)

この作品もジョジョとは無関係。
猫のドルチはブリティッシュバイカラーショートヘアーと書いてあるのだが、恐らく、正しくはブリティッシュショートヘアー(バイカラー)ですね。
…なんて話はどうでも良いですね。

猫好きな方は、最初の数ページで「えーーーなにこれひどーい。猫ちゃんかわいそーーー。」となるだろう。(私だ)
その後、極限状態に置かれた猫と飼い主の攻防が描かれる。
軽くグロテスク。

途中からドルチが普通の猫じゃなくなってきて、スタンドを出すんじゃないかと思った。
ドルチの挙動から、第3部のボストンテリアのイギーを連想した。
うん、あのファイトは猫というより犬っぽいと思う。
そうでないならバケネコですね。
どこからそうなったのかな。

まあでも、可愛いからいいか。ハハハ。

*** (ここまで書いて放置していました。続きを書いたのは2013/6/18です。)

「岸辺露伴は動かない エピソード16:懺悔室」

語り手は、ジョジョパート4に出てきた漫画家の岸辺露伴氏。
彼は、教会の取材中に偶然ざんげ室でざんげを聞いてしまう。
それはとても不思議な、そして不気味な告白だった。

「ざんげ室で何かを聞いちゃった」
って、どっかで聞いたことがあるな?
と思ったら、パート6の「ストーンオーシャン」のプッチ神父だ。

岸辺露伴は動かなかった(ほぼ聞くだけ)が、神父は動いちゃったね。悪い方に。
それはさておき。

岸辺露伴は、作者の分身なのだろう。
「作者(荒木氏)が、不思議なお話を描く」のではなく、
作者は、「露伴が不思議なお話を描いた」お話を描いている。
二重構造にすることでむしろリアリティ。

ジョジョシリーズを知らなくても読めると思う。

***

「デッドマンズQ」 (1話+前後編)

「デッドマン」は、吉良のことだろうか?
吉良吉影は、↑と同じくジョジョパート4の登場人物だ。
実は、私はパート4で死んだとは思っていなかったので、改めて「そっか、死んだのか」と思った。
(別次元に行ったのかなーと思っていた)

彼は「殺し屋」をしている。
スタンドはいない。
相変わらず人を殺すわけだが、自分の好みや判断で殺すのではなく、依頼を受けて殺す。

殺し屋をやっている理由は「平穏を求めて」という事だから、
「吉良吉影は静かに暮らしたい」の延長線上なのだろう。
それと、「腕」に対する執着もあるようだ。やはりもともとの吉良と変わっていない部分もあるようだ。

彼はジョジョ本編では「悪」だったので成敗されたのだが、
思いのほか魅力的な人物造形になったので再登場したのだろう。
しかし現実世界に登場させるには悪すぎる、というかヘンタイすぎるよねえ…。
せいぜい別の世界で活躍するのが妥当なんだろーな。

話としては、「全く素性の知れない誰か」がデッドマンであっても成立するので、
ジョジョを読んでいなくても大丈夫だと思う。

ジョジョ読者にとっては、非常に深みのある話だと思う。
ジョジョの読者には特にお勧め。

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