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映画 「白ゆき姫殺人事件」 [映画]

テレビで観ました。原作は未読です。

映画 「しらゆきひめ さつじん じけん」
原作:湊かなえ 監督:中村義洋 出演:井上真央、奈々緒、綾野剛、蓮佛美沙子 他
オススメ度 ★★★☆☆

ちょっとネタバレ↓


美人OL殺人事件の犯人は誰か?動機は何か?
ということが主軸の映画です。
ただ、それだけではなくて、それを取り巻く人間模様…という感じ?

被害者(奈々緒さん)は、最初から亡くなっているわけで、
周りの人が彼女について語っていくのですが、
途中で「スカッとジャパン」か?と思うシーンもあって、ちょっと笑ってしまった。

全体に、芥川竜之介の「藪の中」みたいな感じでした。
(原作もそうなのでしょうか。)
「ある人やあるシーンの話をするとき、再現ドラマみたいに提示される」
というのはドラマや映画でよくある手法ですが、この映画の中では、
ちょっとした事が、話す人によって違っていました。というか「違えてあった」というべき?

それによって、「同じ場面でも、人によって認識が違う」こと、
いわば「真実か真実でないか?のゆらぎ」を表したのだと思います。
神目線などリアルには存在しないのですから、私たちは、「ある意味、真実」を「真実」と言っていると思うのです。

「いやいや、私の見たことですから、絶対ですよ」と言う人もいるかもしれないけど、それは本当に神目線でしょうか?
記憶なんて、結構適当なものです。

ネット社会も、「ある意味、真実」が真実として扱われると思います。
それは「誤認識」かもしれません。
「そうかもしれない」が誤認識の繰り返しを経て、「そうに違いない」になる様子が、映画ではSNSの書き込みで表現されていました。

登場人物の「ネット依存」ぶりにはイライラしましたが、それは映画の展開上、絶対に必要な要素だったのですね。
そうきたか。
やられた。
さすが湊かなえ。

途中で夫と、
「いわゆる『火サス』だったら誰々が犯人だけど、原作が湊かなえなんだから、誰々が犯人なんじゃない?」
と言っていた人が犯人だったので、予想通りといえば言えるんだけど。

あと、「警察行って事情話せよ…」と思う局面もたくさんあって、
やっぱりイライラした。
これもわざとだよね、そうでないと話が終わっちゃうし。

モチーフとして「赤毛のアン」が出てくるのが、女性作家らしいと思いました。
アンとダイアナの友情が、登場人物の心の支えになっている、という。
まあでもこれも一ひねりしてあって、実はアンとギルバートの「友情≒愛情」だったりするのは、女性作家らしいのではなく、「湊かなえらしい」のかもしれません。

事件と、その後の展開は悲惨なのですが、
最後の最後には一条の光があって、救われる感じ。

タグ:★★★☆☆
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